- ウテナの秘密
歌舞伎のお化粧が絶対崩れない秘密
白塗りの華やかな和化粧。優美な物腰とうらはらに、舞台上で数十キロもの着物やかつらをまとった歌舞伎俳優は、アスリート並みの運動量で汗をかきます。そんな過酷な舞台でも、“絶対に崩してはいけない”歌舞伎のお化粧。実は、ウテナはその秘密となる「下地油」でこの素晴らしい日本の伝統文化を支えるお手伝いを少しだけさせていただいています。
絶対崩してはいけない歌舞伎のお化粧
歌舞伎のお化粧は顔の特長を消し、舞台映えを高める白塗り。立役(男役)はそこに描く隈取で役の性格や気持ちを、女形は使う色や眉の仕上げ方などで役の年齢や色気、性格を表現しています。4時間にも及ぶ舞台で、汗にまみれながらも最後までお化粧をきれいにたもつことは、役を演じきる上でとても重要なことです。それだけでも充分過酷なのに、歌舞伎の世界では「一流の役者は衣装を汗や化粧で汚してはいけない。」といわれているそうです。白粉や血のりが混じった汗がボタボタ落ちてくるのを防ぐため、俳優のみなさんがこだわっているのが「下地油」と呼ばれる鬢付け油です。
「下地油」は歌舞伎を支える重要アイテム
モクロウなど植物由来の固形の油を調合し、白粉のつきや崩れにくさを高める「下地油」の存在は一般的にはほとんど知られていませんが、歌舞伎俳優にとっては最も重要なアイテムのひとつです。それぞれ自分の好みや役柄に合わせて硬さやのびで使い分けており、中にはオリジナルのものを化粧品メーカーに依頼してつくっている方もいらっしゃるほどです。
歌舞伎俳優 五代目 中村雀右衛門さんとの共同開発
"歌舞伎俳優 五代目 中村雀右衛門丈はじめ京屋一門の皆さんが使われていたのは先代から特注したオリジナルの鬢付け油。これを再現したいというご要望に応えて、ウテナが舞台用の化粧下地油を開発することになりました。
残り少ないオリジナル下地油を参考に、さっそくサンプルを作り始めましたが、実は、以前の下地油は、白粉のつきを良くするため、わざと何年も開封せずに寝かせていたものだったのです。スキンケアの原料だけではうまくいかず、ヘアケア開発で培った知識も応用し、何度も雀右衛門丈に実際の舞台でもお試しいただきながら開発しました。"
日本の伝統文化「歌舞伎」を支えたい
"最終的にできたものは「白粉がしっかりつく」「化粧崩れがしにくい」「着物の襟が汚れない」と高い評価をいただけるものになりました。下地油は硬めなので、容器の中で柔らかくしながら使います。そこで、入り口が広めの容器をセレクト。中身をいっぱいまで入れずスペースを作り、中で下地油を練りやすくしたのですが、これが使いやすいと大好評。この下地は徐々にクチコミで広まり、今ではほかの一門の歌舞伎俳優さんにも多数お使いいただいています。是非、歌舞伎鑑賞の際は、俳優さんのお化粧にも注目してみてください。
ウテナはこれからも、ささやかながら日本の伝統文化維持発展のためのお手伝いを続けてまいります。"
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